小泉改革は医療費を削減できていなかったことが分かる表をつくってみたよ
さて、やる夫に触発されたので、「後期高齢者医療制度は現役世代にも厳しい」ことを頑張って書いてみる - せんまい 〜あるいは寸止めクネクネに引き続き、後期高齢者医療制度は現役世代にも厳しいってことを、今日もがんばって書いてみます。
まずは、ここんとこが違うことを、数字で見てみましょう。
192 名前:ゼロウィン ◆gjggxGbbCA :2008/06/15(日) 04:39:57.54 ID:zLmSpGkR0 ,;;《iiミミミミii巛ミミ彡ミミ;;,, 彡ミミミミミミ巛三三ミミミミ;,, 巛ミミ《《《llll;;|ミミミ《彡彡彡ミミ》ミ 巛ミ《llli/⌒` '" `゙゙ヾ三》巛彡ミ ミ巛llノ ─ ミ》》》ミミヾ ヾミi/ ー '_,,,,,, ゞ》》》彡ミ 彡/,-一ヾ ,i / _ ` ミ)))ミミ彡 川| ,.。- ) /、' °ヽ- |||))ミミ彡 彡) ' ノ/ ゝ  ̄ ||lゞ三彡 |l||.i^ / ヽ r |l(.6ノミ ミ( (ゝ-'ヽ 'ヽ |ー'彡 ヾ|! ノl _ ヽ 〉 川ミノ | r-─一'冫) ノ |巛ノ `| '  ̄´ ノ ! _,.. ' |彡 !, , ' ノ' i. ヽ|_ `-┬ '^ ! / |\ 高齢化社会が本格的になってきた95年からの日本の医療費は言われているほど増えていないんだ。 95年の医療費総額は27兆円。 98年の医療費総額は29兆6000億円。 01年の医療費総額が31兆1000億円。 04年の医療費総額が31兆7000億円。 07年の医療費総額が31兆4000億円。 ____ /::::::─三三─\ /:::::::: ( ○)三(○)\ 増えるどころか横ばい・・。 |::::::::::::::::::::(__人__):::: | しかも最近になって減ってきてるお?! \::::::::: |r┬-| / ノ:::::::::::: `ー'´ \ 193 名前:愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中:2008/06/15(日) 04:41:21.77 ID:l679IwgN0 ほぅほぅ、わかりやすいぞGJ 194 名前:ゼロウィン ◆gjggxGbbCA :2008/06/15(日) 04:44:34.71 ID:zLmSpGkR0 ,;;《iiミミミミii巛ミミ彡ミミ;;,, 彡ミミミミミミ巛三三ミミミミ;,, 巛ミミ《《《llll;;|ミミミ《彡彡彡ミミ》ミ 巛ミ《llli/⌒` '" `゙゙ヾ三》巛彡ミ ミ巛llノ ─ ミ》》》ミミヾ ヾミi/ ー '_,,,,,, ゞ》》》彡ミ 彡/,-一ヾ ,i / _ ` ミ)))ミミ彡 川| ,.。- ) /、' °ヽ- |||))ミミ彡 彡) ' ノ/ ゝ  ̄ ||lゞ三彡 |l||.i^ / ヽ r |l(.6ノミ ミ( (ゝ-'ヽ 'ヽ |ー'彡 ヾ|! ノl _ ヽ 〉 川ミノ | r-─一'冫) ノ |巛ノ `| '  ̄´ ノ ! _,.. ' |彡 !, , ' ノ' i. ヽ|_ `-┬ '^ ! / |\ 正直なところ、20年前は医療費は年々増加して 05年には40兆円まで行くと厚生省が予想していたんだ。 しかし私が総理になった際に小泉構造改革で医療制度の 抜本的な改革を行ったことで医療費増加は抑えることに成功した。 本来は高齢者の割合が15%から年々増えていて、 医療費が増加するはずなのに医療費が減ったのは小泉改革の成果なんだ。 ____ / \ / ─ ─ \ / U (●) (●) \ 小泉さんが医療費増加を抑えたなんて知らなかったお・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ /
論より証拠でこの表をご覧ください。
上の表は「社会保障給付費」、つまり社会保障のために払い出された公のお金です。社会保障給付費そのもので見ていくと景気による変動がはいりますので、対国民所得比を出して、それで比べてみました。
小泉改革が打ち出したのは、あらゆる病院の入院日数を短縮し、とりわけ医療上の必要がないにもかかわらず自宅で介護できないなどの理由で入院を続ける「社会的入院」を減らす診療報酬改定でした。
しかし、この社会的入院という慣習は、それまでの日本に「介護」に対する社会保障がなかったため、1973年から行われていた老人医療費無料化にともなって、「入院による介護の肩代わり」を地域の中規模病院が積極的に受け入れたことに始まっています。
つまり、医療費の中で「介護」をしていたということになります。
介護保険は2000年から施行されています。しかし!この介護保険は、「医療」の枠の中にはカウントされず、「福祉その他」でカウントされることになっているのです。
表では、福祉その他から介護保険分だけを取り出し、医療の給付費と介護の給付費を合計して、国民所得比でみています。
すると、きれいに漸増しているのがわかります。
したがって、やる夫が「小泉さんが医療費増加を抑えたなんて……」と言っているのは、ちょっといただけません。
もちろん、改革がなければ「もっと伸び率が上がっていた」かも知れません。でも、その抑えられた分だけ、実際に介護に直面している方々はしんどくなっているように思います。
入院日数の短縮で、どんな病院でも「早く退院して」とせかされるようになりました。
「これ以上ここに入院しているのはムリ。はやく次に行くところを探して」といわれたお年よりは、介護系の施設に入所するか、民間の老人ホームに入所するか、自宅で介護を続けているかのいずれかです。
介護保険の施行と療養型病床の減少で、社会的入院は減っていきました。でも、入院日数が減った分、社会的入院が減った分、お年寄りが元気になったわけではないのです。
余談ですが
現場の感覚では、「家に年寄りがいるとウザいから預けておこう」なんていうご家族は非常にわずかです。お年よりは夫婦で暮らしているか一人暮らしのことが多く、介護が必要になってから、息子・娘たちが「どうしよう」と考え始める、というパターンが多いように感じます。でも、息子・娘たちもそれぞれの家庭での生活があります。小さな子供がいたり、配偶者の親御さんの介護をしていたり、収入を維持するために仕事をやめられなかったりして、介護に専念できないことがほとんどです。「ごめんね、ごめんね」といいながら、面会時間ぎりぎりに飛んでくるご家族を捕まえて「あと1ヶ月ぐらいしか入院できませんが、施設の確保はできましたか?」なんてことを言うのは、決して気持ちのいいもんではありません。
すんません、表のまとめで力尽きました*1。明日も仕事があるんで、続きはあした以降……
*1:エクセルでダウンロードできるんだが、冊子に印刷してあるとおりにするためか、変なところで表が切れてたりした。嫌がらせ!?なんていう被害妄想に苛まれるほど面倒でした。